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💛農業女子会💛

記事ID:0063628 更新日:2022年1月14日更新 印刷ページ表示
 令和3年11月24日、カフェ&ダイニングDayis(デイズ)を会場に、市内の女性農業者にお集まりいただき、農業についての意見交換会を行いました。様々な意見をお聞きする事ができました。
集合写真
~参加者~
上段左から      
村山 美惠子 農業委員
本間 サヨ子 農業委員   
鈴木 奈津紀(なつき) さん (中原)
斎藤 聡子(さとこ) さん (越沢)
中村 麻理(まゆみ) さん (山辺里)
下段左から
中村 恵海(えみ) さん (上野茗荷農産)
大倉 憂理香(ゆりか) さん (南田中)
本間 日奈子(ひなこ) さん (あおぞら農産)
それでは意見交換会の内容をご紹介します。

本間委員:
今日は悪天候で大荒れの中、お集まりいただきありがとうございます。
本日は美味しいものを飲みながら、つまみながら、和やかに皆さんに色々な意見をお伺いしたいと思います。事務局からも小川局長、中村次長、園部係長も加わり意見交換していきたいと思います、よろしくお願いします。はじめに自己紹介をお願いします。

本間さん:
本間日奈子、現在は神林のあおぞら農産で、園芸と加工のほうに携わっています。

中村(恵)さん:
中村恵海、朝日地域の上野茗荷農産で、米・ブロッコリー・ねぎなど作っています。

中村(麻)さん:
中村麻里、主に作っているのは野菜の苗、お米です。

斎藤さん:
斎藤聡子、勤めているのであまり農業のほうは携わってないのですが、お米と、昨年からトマトのアンジェレという品種を作り始め楽しくやっています。

大倉さん:
大倉憂理香、神林でトマトといちご、冬はオータムポエムとねぎを作っています。

鈴木さん:
鈴木奈津紀、中原で会社を経営しています。お米とねぎ、かぼちゃ、ブロッコリー、ハウス野菜はアスパラなど作っています。
女子会1
=== 女性が農業に携わるメリットについて ===

本間委員:
今日は色々なテーマがあるのですが、まずは女性が農業に携わることによるメリットをお伺いしたいと思います。ご夫婦でやっている方、会社に勤めている方、お一人でやっている方、色んな意見をお聞かせください。

本間さん:
JAに勤務していましたが、その頃から女性がもっと関わったほうがいいなと感じていました。 調整や選別などの作業では圧倒的に女性のほうが確実で、商品としての出来上がりがきれいだったりと、女性の目が入ったほうが良いと感じていました。女性のほうが消費者目線に近いというか、スーパーなどに行く頻度も多いので、どうしたら消費者が手に取ってくれるか?という目線で見れると思います。

本間委員:
そうですよね、断然買い物は女性のほうが多いですもんね。

村山委員:
美味しいスイーツも届きましたので、召し上がりながらお話していきましょう。

本間さん:
(勤務先である、あおぞら農産の越後姫を使った”ホットシロップの豆乳ごま豆腐”をスマートフォンで撮影しながら)わぁ、こんな風になってたんですね!

本間委員:
ぷりぷりでやさしい甘さですね、ソースもちょっと暖かくて美味しい!
中村(恵)さんはイオンなどにも卸している姿を見かけますが、どうでしょうか?

中村(恵)さん:
ほぼ男性ばかりの職場で思うのが、調整だったり細やかな部分では女性のほうがよく気付くと思いますし、売り場に行って値段を付けたりもそうですね。

本間委員:
中村(麻)さんはどうでしょう?あ、いつも苗でお世話になっています。苗はいつも中村(麻)さんとこのです。とても良い苗なので!

村山委員:
うちのフルーツトマトも中村(麻)さんとこの苗で、まだ畑で実ってますよ!

中村(麻)さん:
うちは苗が主で男性も女性も働いていますが、遠くだと黒埼や山形まで配達しているのでどちらの力も必要ですね。

小川局長:
たくさんある中から苗の品種を選ぶうえで、女性の感覚が必要となってきますか?

中村(麻)さん:
トマトであれば皮がかたい、やわらかいの違いで選びますが、作りやすさや割れないなどの理由で、農家の方は固いほうが好まれるのかな?手間の面でも大玉の方が作りやすいようです。若い方はミニトマトの方を好まれます。

鈴木さん:
農業は力仕事も多いので、男性の力も必要。野菜の出荷になると調整や梱包は手先が器用な女性がスムーズで良い。男性、女性、半々ぐらいの力が必要かなと思ってます。

大倉さん:
自分は新発田の農家さんとも一緒に仕事させてもらうことがありますが、その時は男性で兼業でやっていても生産から調整・梱包まで丁寧にやっている方もいました。今はひとりでやっていますので、なんでもひとりでやらなくてはいけませんが、自分は細かい作業は・・・な時もあって(笑)力仕事も自分ひとりですし、負担になることもありますね。

斎藤さん:
私は他で勤めていますので普段あまり携わっていないのですが、米ではモミ運びなどは必要とされています。細かい作業は去年からトマトの出荷や規格外の処理など手伝っていて規格外の袋詰めなどの作業は女性じゃないと、と感じています。

村山委員:
器用な男性もたくさんいらっしゃるけど、女性の方が”もったいない”と思う感覚がより強くありますよね。

斎藤さん:
そうなんです!十分食べられる規格外をちょっと砂糖をまぶしたりして、ひと手間かけて人にあげたりしています。

本間委員:
手間ひまは一緒だし、せっかく作ったものを捨ててしまうのは本当にもったいないですよね。ひと手間かければ喜ばれるものになりますもんね。
カフェ&ダイニングデイズにて
=== 女性が活躍できる職業にするには ===

本間委員:
農業を女性が活性化できるようにするには、女性が活躍できる職業にするにはどうすればよいと思いますか?私は乳牛を飼っている家に嫁入りしたのですが、初めは牛にエサをやるのも怖かったです。段々と慣れてきたわけですが、皆さんは初めはどうでしたか?自分の選んだ道、たまたま嫁入りして手伝いを始めたなど、環境は違いますが慣れるまでどうでしたか?

斎藤さん:
定年までは他で働いて、その後は家で園芸など農業をやっていきたいとは思う。昨年からトマトを作り始めて思うのは、兼業でやっていくのはどうかという、不安はありますね。

小川局長:
皆さん職業として農業を選んでいる中で、旦那さんを選んでたまたま農業を選ぶことになった場合もありますが、継続して農業をやっていく、今後この土地で後から続く人達のためになにかこういう事があれば良いな、というものはありますか?農業を選んだきっかけは何ですか?

本間さん:
小さい頃から祖父母が田んぼをやっていて、後に父が継ぎ法人化しました。常に身近に農業がありましたが、自分がまさかハマるとは思わなかったです。父を見ていて楽しそうにやっていたのでキツいという印象はなく、就活の際にどこも就職先がなかったら父のところで働こうかな?程度のことは考えていました。女性が農業を仕事にしないという理由はないかな?となんとなく思っていました。ただ体力面や結婚、出産、子育てのことを考えると女性がずっと継続して続けられる職業ではないから女性は入りにくいのかな?と思います。自分が経営者となってやっていくのは難しいけれど、会社に属して働くには良いかなと思ってます。魅力があって、理想があって、とうわけではなく、父も楽しそうにやってるし、365日農業に縛られているわけでもなく適度に遊び、自分のペースでできるなら農業も面白いかもな、とこの世界に入った感じです。

村山委員:
いい意味で親の姿をよく見ていますね。

大倉さん:
母が亡くなった時に父が一人になるので、ちょっとでも力になりたいと思ってこの道を選んだのですが、まさか自分が一人でやる方向になるとは思ってませんでした。結婚、出産となった時にハウスのローンもあるので、費用の面ではどうしたら良いのか悩んでいるところです。そう考えると、自分で起業するのはいつでもできるから、女性はまずは法人や会社組織に入って、やれるときが来てからでも良いかと思います。

小川局長:
ご結婚、出産を経験されている方たちはどうでしょうか?タイミングによる関わり方はどんな感じでしたか?

中村(麻)さん:
お嫁に来たときは農業は「やらなくていいんだよ。」と言われて、二人目が生まれてから「ちょっと手伝って。」となり、半日ずつ手伝っていたのが朝から晩までになりました。え?といった感じです。

本間委員:
約束が違うよ、みたいな感じですね。でも、そういうケースはけっこう多いですよね。

中村(麻)さん:
最初はユリが多かったのですが、今は野菜が主で規模も大きくなって、年々種類も多くなり、毎年、え、え、え???です。水稲も増えて稲刈りも手伝っています。やっぱり大変ですね。これでは農家にお嫁さん来るの?と思いますね。

小川局長:
そこが一番問題点で、皆さん例えば今後農家のお嫁さんにどうですか?と言われたら正直なところどうでしょうか?

中村(麻)さん:
水稲だけなら良いのですが、うちは水稲、野菜苗、ユリと多かったので、夜なべすることもありました。体も持たないと思い、ユリはやめましたが。

斎藤さん:
うちは主人が去年トマトの話をもらってきて「やるよ。」と聞いて主人がするものだと思っていたが、休みの度に連れて行かれ、携わっていたら段々と面白くなってきたんです。休みの日はハウスに行って楽しいのですが、仕事もあるし休みの日しかできないのでもう少し余裕があればと思いながらやっています。

中村(恵)さん:
もともと非農家で農業を知らなかったのですが、高校3年の進路で悩んでいたところ、豊栄のおばあちゃんの家でメロンやトマトを作っていて、それがとても美味しく、自分もこういう美味しいものを作って人を笑顔にしたいと思い農業の大学に進み、今は野菜を育てるのが楽しいと思っています。

小川局長:
皆さんにとって農業が楽しいな、と思える瞬間はどんな時でしょうか?

鈴木さん:
仕事はデスクワークなどでなく体を動かすほうが好きなので、疲れていてもやれる。すごく楽しいと思ったことはないけどもやっている。なぜかやめられないですね。

本間委員:
作ったものが良くできたりするとやめられないですよね。

村山委員:
疲れていても、やった!という達成感からなのでしょうかね?やめられませんよね。

斎藤さん:
まさに達成感、快感ですね。手をかけただけ結果が出るみたいなところがありますね。

本間委員:
やっぱりそういうところが農業の魅力でしょうかね。

本間さん:
地元に戻ってきて農業の仕事をやろうかなと思ったときに、いろんな方に相談したのですが、自分が何を作りたいか見つからなかくて。ただ、食に携わっていたいという思いがありました。それは農業者としてではなく、生産者と消費者の間の立場で「盛り上げたい」という気持ちがあったんです。JAで勤務していた頃は生産などやったことのない事を、実際の農家さんとやりとりしたりという場面もありました。それで、今後は食に携わりたい、それにはまず自分でも生産現場を理解したいと思うようになりました。その時に周りの農業をやっている方たちも楽しそうに見えたので、農業の世界に足を踏み入れることに対しては抵抗がなかったです。 自分が手塩にかけて育てたものを人に食べてもらって嬉しい、すごく楽しい、という気持ちまではまだいってないです。寒い日の収穫や、取り切れないほどのイチゴを目の前にした時は「なんでこんな事やってるんだろう?」と思うことも多くあり、使命感でやっているに近いかもしれません。

村山委員:
あおぞら農産さんのイチゴ狩りができるところで、小学生や保育園児の写真がありますよね。テレビでも紹介されていたのを見ました。

本間さん:
近隣の小学生たちに、イチゴの成り方を知ってもらい、身近でこんなに美味しいものがあると知ってもらえるのはありがたい。農業って面白そうだなと興味をもってもらいたいと思うし、農業はなくしてはいけない産業だと思います。

本間委員:
子どもたちは田植や稲刈りの授業や、昔は山手の方ではわらび取りなどもあり、やってました。一口で農業の魅力といっても、やっているうちに楽しみになったり、やりがいを見つけてくるということもありますよね。

村山委員:
野菜の採れたては本当に美味しい。消費者に届く前に家族で食べたり、作っているとそういう喜びはありますね。

本間委員:
人にあげて美味しいと言われるとすごく満足する。家族にどうやって作ったの?など聞かれると嬉しいですよね。

斎藤さん:
ハウスにいると集落の人が声をかけてくれて、ほとんど話したことはなかったのに、それが楽しみになってます。年齢を問わず交流するようになり、段々とつながっていき、口コミでトマトを買ってくれるようになったり。 それが、やりがいだったり魅力だと思います。

本間委員:
野菜だけでなく、苗もよくできるとやっぱり人に勧めて買ってもらいたくなります。
女性目線で農業について語る
=== 行政などに望むこと ===

本間委員:
行政に関する希望、こんな事してほしいというご意見は何かありますか?毎年、市に農業委員会として要望は出していますが、何かあればできるだけ伝えますのでどうぞ。

小川局長:
行政だけでなく、農協だったり、会社の就業規則の中でも行政から反映できることがあればと思うので。農業はまだまだ男社会ですが、こんな事があれば女性が入りやすいとか、改善していくために何でも構いません。

大倉さん:
最近、自分と同じ農業大学校を卒業した子が経営者として農業をやりたいと聞いたのですが、お勧めはできませんでした。結婚や出産・子育てが終わってからじゃないと、営農はしていけないと思います。ハウスをやりつつお米も含め、1年ずっと続けていくのは休みもないし、そんな面でも支援などあると、若いうちから携わっていけると思います。

中村次長:
大倉さんは実際これから結婚、出産となった場合どうやっていこうと考えていますか?

大倉さん:
農業収入保険を使うしかないかなと思います。全然足りないですけど。それか、銀行でローンを組んでカバーするしかないかな。生産は一時やめるしかないですね。

本間さん:
私もはじめは自分での経営を考えて、普及センターに相談したり、制度について色々調べました。新規就農の補助制度(年間150万円)はあるけれども、10年の就農継続の縛りや途中の審査もあり、なかなか難しいと思います。10年の間に出産などがあればその分延長しなければいけないし、家族の理解も必要です。何も後ろ盾がない状態では始められないですし、女性が使うには非常に使いにくい制度なので、もっといい制度があれば良いなと思います。短期の縛りだったり、他で勤めていても使える制度なども。

大倉さん:
3年で改善確認があるし、経営が良くなっていかないと、打ち切りなどもあるので厳しいですよね。

本間さん:
行政からすると制度を使ってほしいというのはあるのかもしれませんが、現場が見えていない感じがします。この地域では小規模で使えるものがあれば良いと思ますし、園芸一本でも生活できるような、支援があれば良いと思います。

小川局長:
専業でやっていくには米価が下がっていて、なかなか一本でやるにはリスクがあるので、休みがないという厳しい部分はありますが、複合的、年間通じて収入を得られる仕組みが必要となりますね。

本間さん:
それをやるには法人化してある程度人を雇ってだと出来るが、規模を大きくして、人を増やして、はちょっと違う。二人なら二人、一人なら一人で十分まわる規模の経営で十分収入が得られるようじゃないと、新しく始めるのは難しいですよね。法人は経験者が欲しいと言いますが、新しい人が入ってきにくい。会社として未経験者を育てる資金的余裕がない、でも即戦力は欲しい、そういったところを行政でうまく繋いでいただけたらと思います。どんな制度があるかよく分からないので、もうちょっと分かりやすいと良いなと思います。
女子会4
=== 未来の農業女子へひとこと ===

本間委員:
農業女子のひとり言、ということで未来の農業について一言どうぞ。

斎藤さん:
嫁いでから米作りはしていてこれからも続けると思うが、これからトマトも規模を大きくしてやっていきたいけども、大変かなとは思っています。

大倉さん:
新発田方面は園芸が盛んで、JAさんや行政との関係もしっかりしていて、研修をして出荷先を作って、それで収入を得られる。というシステムがきちんとできているので、やってくれる人も増えると思うのでそういった協力があるといいかなと思います。

鈴木さん:
また1年間がんばります!!

中村(麻)さん:
このままいければ良いかなと思いますが、お米があまりにも安くなっているので、値段が上がってほしいです。

中村(恵)さん:
こういった意見交換会がもっと増えればよいと思います。

本間さん:
潜在的に農業をやってみたいと思っている人もたくさんいると思うので、男女問わずそういった人たちから楽しそうだな、入りやすいな、と見えるようになればいいなと思います。

本間委員:
今日初めての意見交換会でしたが、また何回かこういった機会を設けたいと思っています。

村山委員:
横のつながりは今までもあったかもしれませんが、初めての方とちょっとずつでも仕事の悩みや環境改善について、こういう会で話すことができ、こちらでも力になれることがあればと思っています。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。