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市では、市補助金制度を活用し住宅用太陽光発電システムを設置した方々から、1年間の発電量や売電量などの運転状況報告にご協力いただいております。
このたび、令和元年度分の運転状況報告をまとめた結果と、そのデータを基に市内で住宅用太陽光発電システムを設置した場合に予想される電気料金の節約金額および環境貢献をシミュレーションした結果を作成しましたので掲載します。
市内設置者の太陽光発電システム容量(以下「システム容量」という。)1kWあたりの平均的な発電量は表1および図1のとおりで、年間では1,044kWhでした。
月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 年間 |
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発電量 | 108 | 160 | 111 | 124 | 124 | 98 | 71 | 49 | 36 | 32 | 43 | 88 | 1,044 |
冬に雪や曇りの天気が多い新潟県は日照量が少なく太陽光発電に不向きと思われがちですが、春~夏にかけては全国平均を上回る日照量があるため、年間の太陽光発電量は全国平均と大差がないとされています。注1
注1 企業局:太陽光発電(新潟県)https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/eigyokikaku/1193933745451.html 〈外部リンク〉より
※実際の発電量は、気象状況はもちろん、設置方位や屋根の形状、太陽電池モジュールの性能などによって異なってきます。設置前に設置業者とよくご相談ください。
発電された電気はまず家庭内で消費され、自家消費量を上回った余剰電力は電力会社に固定価格で売電されます。(FIT制度)
売電量は各家庭の生活スタイル(昼間の在宅率など)によっても異なりますが、今回の報告では設置者の平均で年間749kWh(システム容量1kwあたり)、 発電したうちの約7割の電力が電力会社に売電されていました。(表2)
月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 年間 |
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売電量 | 79 | 129 | 90 | 89 | 86 | 73 | 55 | 32 | 19 | 15 | 24 | 58 | 749 |
売電率 | 73% | 81% | 81% | 72% | 69% | 75% | 78% | 67% | 53% | 48% | 55% | 65% | 72% |
※売電率=売電量/発電量
上記の運転状況報告のまとめを基に、住宅にシステム容量4kWの太陽光発電システムを設置した場合に予想される電気料金の節約金額をシミュレーションしました。
※なお、シミュレーション結果は実際の導入効果を保証するものではありませんので、あくまでも目安としてご参照ください。
【運転条件】
太陽光発電システム容量:4kW
発電量:上記表1(年間1044kWh/容量1kW)
売電率:上記表2(年間平均72%)
売電単価:21円/kWh(2020年FIT価格)
買電単価:31円/kWh(参考価格、実際には各家庭の契約内容によります。)
太陽光発電システム設置で期待される節約金額は大きく分けて、(1)自家消費による電力会社からの買電量削減(電気料金の削減)、(2)余剰電力の電力会社への売電収益(実際には売電額<買電額のため売電金額が電気料金から値引きケースが多い)の二つがありますが、以下のように計算しました。
(1)買電削減額=システム容量×発電量×(1-売電率)×買電単価
(2)売電額=システム容量×発電量×売電率×売電単価
シミュレーションの結果、表3および図2のとおり年間約10万円の電気料金の節約が予想されました。
月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
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(1)買電削減額 | 3,658 | 3,813 | 2,666 | 4,247 | 4,774 | 3,038 | 1,922 |
(2)売電額 | 6,615 | 10,836 | 7,560 | 7,497 | 7,182 | 6,174 | 4,620 |
節約金額合計 | 10,273 | 14,649 | 10,226 | 11,744 | 11,956 | 9,212 | 6,542 |
月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 |
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(1)買電削減額 | 1,984 | 2,108 | 2,046 | 2,387 | 3,813 | 36,456 |
(2)売電額 | 2,730 | 1,638 | 1,281 | 1,995 | 4,830 | 62,958 |
節約金額合計 | 4,714 | 3,746 | 3,327 | 4,382 | 8,643 | 99,414 |
太陽光発電システムを導入する大きな意義として、CO2排出量削減による地球温暖化防止があげられます。
従来の火力発電など化石燃料を原料とする発電が太陽光など再生可能エネルギーを利用する発電に置き換わることで、CO2排出量は大きく削減されます。
太陽光発電協会によれば太陽光発電によるCO2削減効果は541.5g-CO2/kWhで、上でシミュレーションしたシステム容量4kWの発電システムの場合、年間で約2,261kgのCO2注3が削減されることになります。
注2 CO2削減量=システム容量×発電量×CO2削減効果=4 kW×1,044 kWh/kW×541.5 g-CO2/kWh=2,261,304 g-CO 2=2,261 kg-CO2
このCO2削減量は杉の木の植樹に換算注3すると約162本分に相当します。
注3 杉の木1本あたりの二酸化炭素吸収量を年間14kgとして計算しています;森林の二酸化炭素吸収力(関東森林管理局)https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/saitama/knowledge/breathing.html 〈外部リンク〉より