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平成30年度 お知らせ・できごと
塩野町地域の未来を考える。そして、次の一歩を。(平成31年2月23日 土曜日)
「塩野町地域の未来を予測して、今出来ること!~ちょっとした一手間・工夫が課題解決の糸口になる~」と題して、まちづくり講演会を開催しました。
この講演会は、なぜ、今から私たちの困りごとを解決する仕組みの構築が必要なのか、まち協役員だけでなく地域全体で、自分に引き寄せて考えるためのインパクトやきっかけを与えるため、また、数々の実例を聞くことで、「こんなことができるのか」「うちの集落でもすぐに出来そう」という発想を住民自身が抱くよう持って行きたいという目的から、NPO法人都岐沙羅パートナーズセンターの斎藤主税事務局長を講師に迎え、開催しました。
人口減少や世帯人口推移の数字はやはりインパクトが強く、会場がどよめきました。1時間半という講演にも関わらず、参加した方々は熱心に聴いていたように感じました。講演の中では、以下のようなことを教えていただきました。
◆塩野町地域は、人口減少・少子高齢化による暮らしへの影響を徐々に実感しているが、まだ深刻な状況になる一歩手前。今地域を主に支えている年代は、いずれ「支えられる側」に。深刻化してからでは遅い! 今すぐに将来への「備え」を始める必要がある。
◆今までは行政、企業、自治会、個人などで手分けしてきたことも、人口の減少により、手が回らなくなってきている。(特に個人領域、住宅敷地内の除雪、買い物、お墓の管理…など。)
◆少子高齢化(多老化)がすすむ。住民自治の進化、高齢者には出来るだけ長く元気で活躍してもらうこと、少ない若者世代の意見は丁寧に聞くことなどが重要になる。
◆事業を増やすのではなく、いかに「まとめて」やるかが重要となる。(運動会のときに「防災がテーマの種目」、農業で「介護予防事業」などついでの掛け算が大事。)
◆世間話はとても重要。「しんどくなったこと=困りごと」など多くの情報を得ることができ、今やるべきことやニーズのヒントがある! まずアイディアを小さく実験してみることが大事。
今後、人口が減ってゆくことは、日本社会全体で分かっていることなので、それに対応できる工夫を今からしていくことが大事です。
現状をみんなで知ることから、同じ目的に向かって力を合わせることが出来るのではないでしょうか。知識を得たら、次の一歩を。住みよい地域づくりのため、みんなで一緒に歩きましょう。
真冬の打ち上げ花火!!~塩野町小学校スノーフェスティバルにて~(平成31年2月8日 金曜日)
いよいよ迎えた、塩野町小学校スノーフェスティバルの当日。子どもたちが楽しみにしている、塩小の冬の名物行事です。
行事のメインは、子どもたちの作った雪像のコンテストです。学年縦割り班で力を合わせて作ります。塩小の子どもたちはこういった行事を通して、上学年の子は下学年の子をよく面倒を見てくれ、お互いにやさしくされたり、頼られたりする関係性を育みます。そして短期間によく工夫して、大人もうなるような作品を作ります。まずは、その作品を十分に堪能します。
入ります。
また入ります。
忘れずにまた入ります。とにかく入ってみたくなるのです…。
また、除雪で寄せられた雪を利用して作った巨大滑り台も圧巻です。子どもたちは長蛇の列です。富士山の山開きかと思うほどです。
先生が安全を確認してくださり、Goサインが出たらそりで滑走です! 最後にはバランスを崩してそりからはみ出たりするのですが、「ぎゃははー!」という大きな笑い声が。雪で遊んだことがある人なら誰でも、この楽しさがすぐ想像できるのではないでしょうか。
まちづくり協議会では、共催という立場で、サックサクの揚げたて「まちづくりコロッケ」の無料サービス、雪明りのフォトスポット製作、また、塩小閉校前の最後のスノーフェスということで、「打ち上げ花火」を行いました。
花火の打ち上げは、「閉校の前に、子どもたちを喜ばせたい」というまち協役員たちの意見から、実現しました。学校は閉校してしまうけれど、この場所に地域の人の思い出がたくさん詰まった素敵な学校があったこと、ここを離れてもいつまでも子どもたちは地域の宝物であることを、このスノーフェスの光景とともに覚えていてほしいと願っています。
塩野町に冬が来た!~「オサトサマ」~(平成30年12月9日 日曜日)
その名を聞けば「今年も終るなあ」「雪が降るな…」と、塩野町集落の人間ならば誰でも思う冬の行事「オサトサマ」が行われました。
集落の熊野神社に新しい注連縄を納める行事ですが、そのやり方が「奇祭」といわれる所以です。
新しい注連縄は、五色の紙垂の御幣を飾られ、青竹に取り付けて、二人の担ぎ手(シメカツギ)に運ばれて奉納されます。注連縄のあとからは、同じように青竹に取り付けたお神酒(酒樽)を運ぶ二人(タルカツギ)が続きます。
担ぎ手は必ず男性で、女物の長襦袢を身につけて裾を端折り、わらじを履き、顔に赤や黒で大げさな化粧を施し、「異形」の風体。注連縄とお神酒の前には、同じく、顔に面白おかしく化粧を施した仲人様(ちゅうにんさま)が歩いて、箱根節を歌いながらゆっくりゆっくり行列を先導します。仲人が花嫁行列を率いている様子を模し、熊野神社に合祀されている「山の神」は女性であるので、注連縄は山の神の婿であるとも言われています。
担ぎ手の男性が顔に面白く化粧をしたり女装してこっけいな姿になるのは、醜女(しこめ)である山の神が嫉妬しないようにするためとも言われ、昔から、シメカツギは今年結婚した人、タルカツギは昨年結婚した人が務めていましたが、現在はなかなか条件がそろわないこともあり、厳密な条件に捕らわれず、その年々で担ぎ手を決めています。本来は山の神様の日である12月12日に行っていましたが、近年は12月の第2日曜日に行うことが多くなっています。
近隣でこのような形で注連縄を奉納しているところは無く、村上市の指定無形民俗文化財にも指定されています。当日は、この珍しい風景を撮影しようと、たくさんのカメラマンが撮影に訪れていました。
沿道で出向変える住民もお酒や甘酒を振舞われ、寒さの中にも笑顔と寿ぎの雰囲気が溢れていました。新しい注連縄がかかった神社は、静かに、雪の中で、清らかにあらたまる新年を待っています。
閉校記念式典にて校歌を合唱(平成30年11月17日 土曜日)
塩野町小学校にて、閉校記念式典が挙行され、「校歌を歌う会」と児童による、校歌の二部合唱が披露されました。
「校歌を歌う会」は、まちづくり協議会が地域の方に呼びかけて結成した合唱団です。学校へのさようならとありがとうの気持ちをのせて校歌を歌うことで、地域の方々が自分らしいやり方で閉校という事業に関わることができたらよいと考えました。
閉校記念式典実行委員会のご理解・ご協力により、式典で、児童と二部合唱で校歌を披露することが出来るようになり、短い期間ではありましたが、参加者は練習を重ね、当日の披露に臨みました。
練習中から、校歌を歌うたびに「なつかしくてさびしくて涙が出る」「色々思い出す」と胸を熱くして歌っていた参加者たち。記念すべき場で、子どもたちの元気な声に背中を押され、万感胸に迫る美しいハーモニーを奏でることが出来たのではないでしょうか。世界に二つとない、歌えばいつでも塩小で過ごした記憶がよみがえる、私たちだけの校歌。そんな思いが届いたのかどうか、目を潤ませて聞いてくださった方もありました。参加者からは「閉校という節目に、校歌の合唱を通して関わらせてもらい嬉しかった」との感想も聞かれました。
欲を言えば…卒業生ら若い世代の参加もほしかったところ。多くの世代に関心を持って関わってもらい、楽しみややりがいをとおして、そこで人とつながり助け合う…ということを、これからも地道に目指してゆくことが必要です。
今年もうんめぇのそろったよ~!~秋の大収穫祭~(平成30年11月11日 日曜日)
11月と言えば、この塩野町地域では「秋の大収穫祭」!
この催しは、塩野町小学校体育館を会場に、「地域内外の人と交流を深めること、地域の食文化を後世に伝えること、地域のよさを再確認すること」という目的のもと、地域内8つの集落が自慢料理を振舞い、会場内では小学生が育てたお米、地域で取れた野菜、美味しい加工品の販売、地元電気屋さんの展示などが楽しめる催しです。500円の前売りチケットで7品の料理が食べられるということで、チケットは毎年完売です。
毎年この場を、食を楽しむ以外に楽しみにしている方がたくさんいます。それは「普段ゆっくり会えない人に会える」という楽しみがあるから。会場のあちこちで「ひさしなぁ(長らく会ってなかったねぇ)」と、笑顔で言葉を交し合う光景を見ることができます。こういった交流の場も、地域には無くてはならないものです。生きる活力になったり、新しく人とつながることから新しい楽しみや人の動きが出来るからです。
今年は、地域外からの来客が増え、「こんないいイベント、知らなかった」「みんな美味しくて、来てよかった」との声を聞くことができました。この地域のよさを知っていただくひとつの機会となっていると感じています。
ただ、反省として「集落からスタッフ参加している人同士の交流が少ない」「目的をちゃんと果たせているのか?」という気付きもあります。なにをもって「満足」とするか。催しを成功させることが目的ではなく、「催しの目的をたち成すること」が真に目指すところであるということを忘れず、事業を行っていきたいと考えています。
まちづくりコロッケ、復活しました!(平成30年10月21日 日曜日)
開催3回目にして、最高の天候に恵まれた「あさひまつり」。朝日地区のおいしい食と物産、ステージでの芸能発表を目当てにたくさんの方が来場されました。
朝日地区のまちづくり協議会も、最高の場所にテントを構え、地域自慢の郷土料理を販売しました。塩野町地域まちづくり協議会では、地域の農産物を使い、地域で製造し、地域で消費し、地域に利益が還元するしくみづくりとして取り組んでいる「まちづくりコロッケ」を販売しました。
実は、「まちづくりコロッケ」は、これまでの製造者の方の引退に伴い、昨年度の終わり頃から、改めて役員の間で、「どのように流通するか」「まち協はどのように関わるか」「地域内に製造してくれる加工所はあるか」…など、見直しを行い、このたび新しく作ってくださる方が決まり、この「あさひまつり」から、また皆さんに召し上がっていただくことができるようになったのです。
原材料となるじゃがいもは、塩野町小学校の6年生が学校の畑で栽培して寄付してくれたものを使用しました。揚げたてサクサク、中はホックリ…のコロッケは、本当に飛ぶように売れ、168個が午前中のうちに完売! 「塩小ではこんな取り組みにも協力してるんだね」「美味しいコロッケだね~!」とお客様からたくさんの感想をいただきました。
この「まちづくりコロッケ」が、私たちの地域を知ってもらうきっかけ、また、地域にあふれる資源を活用する一つの方法となればよいと考えています。今後も、まち協のイベントなどで提供してゆく予定です。
新保岳登山(平成30年9月20日 木曜日)
塩野町小学校伝統の新保岳登山が行われ、児童、保護者のほかに、まち協からもボランティアスタッフが数名が参加し、また、塩小としての最後の登山ということで、以前塩小に勤務され新保岳に登った先生方も2名参加され、賑やかな登山となりました。
「なつかしいな」「ここ登るとき気をつけてね」…子どもたちの声が響きます。先頭の列の子どもが「やっほー」と叫ぶと、後列から、なぜか全く違った言葉のこだまが帰ってくるという…怪奇(?)現象もあり、笑い転げる一面も。
まずは、ブナの植樹をする場所に到着し、ふもとから運んできた苗木を植えました。「閉校記念植樹」の杭も、そばに打ち込んで完了。杭には、班ごとに子どもたちが名前が記されています。それを誇らしげに見つめた後、一路、頂上を目指します。最後の、樹木がトンネルのようになっている場所をくぐり少し険しい登りを越えると、頂上に到着。何度登っても、歓声が上がる場所。美味しいお弁当をほおばると、思い思いの遊びが始まっていました。
「今日植えたブナの苗木、いつかまた見に来ようね」小さな約束があちこちで交わされていました。新保岳も嬉しく、その声を聞いていたのではないでしょうか。
来年からは、塩小としての登山は無くなり、新しい学校で新保岳登山が行われるかどうかはまだ未定とのこと。まちづくり協議会では、今後も継続して地域の山に親しむ機会を持つことが出来ないか、検討しています。登山のみならず、伝統の学校行事を、地域みんなで参加できる催しに…。子どもたちが大きくなって、自分の育った思い出の場所を懐かしみ、戻ってこられるよう、家族を連れて訪れることが出来るよう、地域づくりを進めてゆきたいと考えています。
「校歌を歌う会」で懐かしく、楽しく、ほんの少し寂しく。(平成30年8月22日 水曜日)
この地域には、声には出さなくとも、閉校に心を寄せている人がたくさんいます。
学校から聞こえてくる元気な子どもたちの声を、少し切なく聞いています。
この場所が、学校ではなくなるなんて…。
まちづくり協議会では、思い思いの方法で、この大きな出来事である「閉校」という事業に携わっていただきたいと考え、その方法の一つとして、また、この地域の人だからこそ特別な思いを持って歌える校歌で、ふるさとへの愛着を思い起こしつつ人とつながろう…という目的のもと、8月22日に「校歌を歌う会」を開催しました。
指揮・歌唱指導やピアノ伴奏も、地域の方にお願いし、「まず初めに校歌をみんなで歌ってみましょう」とのことで、ピアノ伴奏とともに、みんなで歌ってみました。さすが、塩小現役&Obさんたち、歌はばっちり。「いやー何年ぶりかに歌った!」「やっぱりいい歌だ」「懐かしくて涙が出るよ」…皆さん口々に感想を漏らしておられました。すぐに、2部合唱に入ることができ、指導の先生も驚くほどスムーズに、ハーモニーが奏でられました。
実は塩野町小学校の校歌は、3部合唱。今後この会では、3部合唱に挑戦します。11月17日(日曜日)の閉校記念式典で、3部合唱の披露はできないようなのですが、地域の方や子どもたちと斉唱することを目標としています。
参加者からは「広いところで思い切り歌って、気持ちよかった」「来てよかった」「校歌の合唱の美しさが想像以上だった」との感想をいただくことができました。校歌を歌う皆さんの顔は、懐かしい子ども時代を思い起こしてか、明るく輝いているように見えました。
誰も聞いたことがない美しい校歌、一緒に奏でませんか? 参加資格は「校歌が歌えること」のみ。どなたもどうぞお誘いあわせの上、おいでください。塩小の校歌を歌って、聞ける機会も、もう今年度限りかもしれません。卒業したばかりの方も、地域にお住いの若い方々もぜひ、一緒に歌いましょう!
校歌を歌う会(第2回)開催日 : 9月22日(土曜日) 19時00分~
(会場:塩野町小学校体育館)
※上履き・飲み物をご持参ください。
遠くの3尺玉より、近くの4号玉!~8月14日は本小須戸集落の大花火大会~(平成30年8月1日)
雨が降らない今年の夏は、人も作物も、少し疲れ気味です。食欲も落ちがちなこんな夏は、ナスの漬物を食べる手が止まりません…。みなさんも、おうちで育てているおいしいトウモロコシや枝豆を畑から採ってきて、せっせと食べて、精をつけましょう!!
さて、毎年、本小須戸集落では8月14日に大花火大会が開催されているのですがご存知でしょうか。今年で8回目を迎えるこの大花火大会が、まさに…遠くの3尺玉より、近くの4号玉! なのです…。
本小須戸は世帯数30数個という、決して大きな集落ではありません。それでも、集落内外の寄付によって、お盆の14日には、長寿や結婚、子の誕生などのお祝いに、たくさんの花火が上がります。以前、区長さんを務めた方に聞くと「私の故郷は小さな集落だけど、こんな大きな花火が上がるんだよ…と、この花火大会をとおして集落を自慢に思ってくれる人がいるのが嬉しい。」とおっしゃっていました。
近くの集落の方々も、盆踊りの帰りに足を止めて、この花火を見上げています。隣の塩野町集落では、盆踊りが終わると、場所を移動して、絶好のビュースポット「国道沿い」でこの花火を見るを楽しみにしているとか。集落のはずれの沢付近で打ち上げられる花火の大きさは、すぐ近くの公民館で鑑賞する本小須戸集落の人々にとっては、3尺玉に勝るとも劣らない拍力なのです。
みなさん、ぜひ、今年も本小須戸の花火を一緒に見ましょう!
まち協Tシャツ、作りました。(平成30年7月24日 火曜日)
ついにできました…私たちのまち協にも、憧れのアレが…。
そう! それはまち協Tシャツ!!
これまで、他のまち協の役員さんたちが、色とりどりのおそろいのオリジナルTシャツを着て活動しているのをうらやましく横目で見ていました…。多くのスタッフに協力いただく一大イベント「秋の大収穫祭」ではおそろいのエプロン、バンダナを着用しますが、寒さのため、半袖Tシャツなんてもってのほか!…だったのです。しかし「お宝めぐり」など、夏季に定番イベントが実施されることもあリ…ついに製作しました!
色は、塩野町小学校の体操着をイメージして、ターコイズ。
胸にまち協のロゴとトレードマーク。
背中には、塩野町小学校が今年度で閉校ということもあり、思い入れのある校歌を残したい…という役員たちの希望もあり、校歌の歌詞「風は薫る空の青さ 窓遠く仰ぐ新保岳」と「夢おおき光みちて」の2バージョンを製作しました。
7月22日(日曜日)の「お宝めぐりin大須戸」でスタッフが着用し、お披露目しました。今後、まち協事業にお手伝いしてくれる方などにも差し上げて、より一層の一体感を味わい、地域のために活躍できる絆を結ぶツールとして、みんなで着たいと考えています。
能の里を探検! ~「お宝めぐりin大須戸」を開催しました。~(平成30年7月22日 日曜日)
7月22日(日曜日)、「お宝めぐりin大須戸」を実施しました。この催しは、地域のお宝マップ「しおのまち図」を活用し、地域の人とのふれあいを通して、地域の伝承を多くの世代に伝える取り組みです。
昨年度は塩野町集落で実施し、2回目となる今回は、大須戸能が伝わる里・大須戸集落を会場に実施しました。参加者の多くは、昨年度の塩野町での開催に参加した子どもたちで、中には「去年から楽しみにしてた!」と言ってくれる子も。子ども12名、大人7名、総勢19名の参加者と、スタッフ数名で、大須戸のお宝めぐりに出発しました。
塩野町小学校の校歌を作詞した、旧朝日村の中山村長のお宅(江戸時代に建てられたもの)を拝見したり、集落のお寺で、思いもよらず、鳴海金山とのかかわりを聞くことができたり、八坂神社では能の里らしく、能にちなんだ彫刻(龍が沓(くつ)をくわえたもの)が目を引き、地蔵様では様々な伝説を聞くことができました。公民館に戻って一息ついたら、大須戸能の歩き方を教えてもらったりと、子どもたちは「知らなかったことがたくさんある!」と目を輝かせていました。
今回の「お宝めぐり」には、「地域内に住まいながら、江戸時代からの文化で文化財にもなっている大須戸能を見たことがない・知らないという子どもたちに、ぜひ知ってもらいたい」というまち協としての考えもありました。そこで、途中、能と大須戸集落の関わりを教えてもらったり、能のミニ所作教室を設けたわけなのですが、「難しいかな…興味を示さないかな…」といった心配をよそに、子どもたちはみんなで輪になって、案内人の動作をまねていました。
古くから残ってきたこの「能」は、集落の先人たちが大切な文化として認め、鍛錬して習得して伝える人がいたからこそ、ここまで残っているものです。今回参加してくれた子どもたちの中から能の担い手が出てきてくれたら…と期待してやみません。
今年も豊作!~塩野町小学校6年生のじゃがいも~(平成30年7月20日)
7月の夏休みも押し迫った 日、6年生によるじゃがいもの収穫が行われました。
今年は、じゃがいもの大きさが比較的揃っていて、たくさん獲れたとのこと。このじゃがいもは、10月21日(日曜日)のあさひまつりにて、塩野町まちづくり協議会が販売する「まちづくりコロッケ」の材料として使わせていただきます。
地元産の、子どもたちが地域の人に教えてもらいながら育てた大切なじゃがいもです。おいしいこと間違いなし!
ぜひ、あさひまつりにてご賞味ください。お楽しみに!!
よその人から教えられること。まちあるきのススメ。(平成30年6月10日 日曜日)
NPOまちづくり学校さんの超人気まちあるき企画「ブラニイガタ@大須戸」が、開催されました! 30名の参加者は、新潟県内各地から、なんと遠くは千葉県からもいらしてくれました。ありがたいことです…。
まず、一行は石丸山へ。大須戸集落を一望できるビュースポットから、次は、さくらんぼ農園へ。木にはざらんざらんと、ほんのり赤いさくらんぼがなっていました。
次に訪ねたのは、集落にある「中山邸」。(と言っても、大須戸はほとんどの方が中山姓なのですが…。)「旦那様」との屋号もある、旧朝日村の村長さんのお宅のお庭を拝見しました。
そのあとは、東泉寺へ向かい、開山堂の見事な彫刻を拝見し、一行は、能舞台のある八坂神社へ。大須戸の神社の内部には、能の里らしく、欄間の彫刻には能「張良」の一場面、若き日の軍師・張良が、川に流れた沓(くつ)を拾いに行く場面が描かれているのです。まさにその下で、能面についての説明を受けました。
サプライズで、区長さんはじめ住民の方々が、能「張良」を一指舞ってくださり(謡付き)、狂言「附子(ぶす)」から、ワンシーンを演じてくださり、参加した方はびっくりされていました。
ついさっきまで、道案内などしてくれていた住民の方が、すぐに能を舞えるほどに習得されているということ、それが一人や二人ではないこと。確かにこれは、ほかの集落にはないことです。
この後、集落の方が代々守っている観音堂を拝見し、農家民宿ひどこへ到着。協力隊の歌と、大須戸のおばあちゃんたちが好意で準備してくださった麦茶と初物のきゅうり(手作りみそにつけて食べたら、これがもう絶品!)が、参加者を潤しました。
私たちにとって普段暮らしのなかに入りこんでいて当たり前になっている風景を、「四季ではっきりと景色が変わるので見事」「水路がたくさんあり、どこに行っても水の音がするので心地いい」「行く先々で出会う人が言葉を交わしてくれて、笑顔で迎えてくれた」というふうに、参加者の方々は話してくれました。地域の魅力は風景だけでありません。地域に住まう人の心根、迎える人の人情があってのものです。
その反応を目の当たりにし、気付きを共有し、「どこにでもある田舎だと思っていたけど、いいところたくさんあるな」と自分の地域に対する肯定感を深めていく、そういうプロセスが、経験が大切なんだと実感できました。いつも見ている風景を写真に撮ってみたら「ん? なんだかすごくきれいじゃないか?」と感じる、あの驚きと一緒かもしれません。「まちあるきは大事」「ヨソモノ目線」…とはよく分かっているつもりでしたが、身をもって、「目からウロコ」でした。
皆さんも、遠方から知人が訪ねてたら、また久しぶりに地元に帰ってくる家族がいたら、一緒に集落を歩いてみることをおススメします。そこかしこにある、「見ているけど見えていなかった」宝物に気づくかもしれません。
田んぼって面白い! ~塩野町小学校の学校田にて田植え~ (平成30年5月25日 金曜日)
子どもたちが毎年楽しみにしている、学校田の田植えが行われました。お手伝いしてくれるのは、ずっとお世話になっている早稲田農家組合の方々。晴天のもと、塩野町小学校の5年生13名が、田んぼに挑みました。
5年生は昨年も田植えを経験しているのですが、「なんかいるかも疑惑(?)」などが邪魔して、なかなか一歩が踏み出せない子どもたち…。しかししかし。いつものことですが、その一歩を踏み出すと、もう! ピカピカの笑顔で歓声を上げ始めました。
農家組合の方に教えてもらいながら田植えを進めていくと、両手両足が泥による「腕までの長手袋&オーバー・ニー・ハイソックス」というおしゃれないでたちになっている子、「誰かが絶対、”あー!”ってあなたの背中に手をついたよね…」とはっきり情景が浮かぶ「手形」という勲章を背中につけられた子…。農家組合の方々も、ついつい、ほおを緩めながら、一緒に作業していました。
田植えの後は、早稲田にお住いの富樫繁春さんによる田んぼの生き物観察や地域の自然についてのお話がありました。持参してくださったアユやカエルのホルマリン標本に、子どもたちの目はくぎ付けに。なんでも、「塩小の子どもたちのために標本になってくれるか?って聞いたら、”うん”と言ってくれた」生き物たちなんだとか…。子どもたちは木漏れ日のもと、真剣なまなざしで話に聞き入っていました。
この後、農家組合の方々から恒例の「ごほうび」をいただき、お礼の言葉を述べて、子どもたちは学校へと帰っていきました。まるで自分の孫といるような、あったかい雰囲気が、毎年、この田植えにはあります。こんなふうに地域が子どもを育んでくれる場面が、ふれあいの機会があることが、子どもたちの自己や故郷への肯定感を育みます。
実作業時間が今年は1時間程度だったため、「作業するには、1時間は短かったなー」と、話していた農家組合のお父さんたち。可愛い子どもたちともっと一緒に作業したかった、そんな気持ちも滲んでいるように聞こえて、仕方ありませんでした。
定期総会を開催 ~塩野町小学校の閉校への関心高く~ (平成30年4月14日 土曜日)
今回の総会では、昨年度の事業報告、今年度の事業計画のほかに、2年ぶりの役員改選についても、代議員の方々におはかりしました。
会の中で、当協議会会長や来賓の方々からいただくあいさつに、必ず触れられる事柄がありました。それは、わが地域の「塩野町小学校の閉校」です。塩野町小学校は、今年度いっぱいをもって閉校となり、平成31年4月からは、塩野町地域の子どもたちは隣りの地域の猿沢集落に開校する「朝日さくら小学校」に通学することとなります。
閉校まで1年を切った今、気持ちの面でも、場所的な面でも、地域の拠点といえる学校がなくなることで、「子どもたちに地域の伝統を、このふるさとのよさを伝えたい。しかし学校がなくなると、子どもたちと地域のつながりが薄れてしまうのでは…」と心配する声も聞こえました。
しかしながら、地域に学校はなくなるけれど、子どもたちはこれからも、この地域に暮らし、この地域で育まれて生きてゆきます。また、これまでは地域の交流を促すイベントが多かった協議会の活動ですが、昨年度から新しくなった「まちづくり計画」にも盛り込んだ、小さな困りごとを自分たちで解決していく仕組みづくりなど「課題解決」にも、並行して取り組んでゆかなければなりません。全世代の交流をさらに活性化しつつ、助け合いの仕組み作りにも考えを向けていけるよう、まちづくり協議会では活動に取り組んでゆきます。